フロスト&サリバン主催のMind Exchangeが先日、フロリダ州オーランドで開かれました。エンピレックスも業界のリーダーたちとともにこのイベントに参加しました。4日間にわたって行われたイベントでは、カスタマーケアの主要原則の多くについて議論され、その認識を強めることができました。今回のイベントは、参加者全員がインパクトのある顧客体験の創出、提供、最適化を試みるなかで遭遇した課題を共有するすばらしい機会となりました。基調講演で得たポイントを以下にまとめてみました。
2人の基調講演者、Jeff VanDeVelde (SunTrust Bank)とAjit Sivadasan (Lenovo)は、カスタマーケアを向上させる方法について、それぞれの考えを話してくれました。以下、誰もが活用できる基本的な項目をいくつか紹介しましょう。
・お客様とトラブルになりかねない状況を避けるため、お客様に共感を示すようオペレータへ指導する
・顧客中心の組織に変わるには、CEOの支援が必要
・改革を実行する前に内部、外部の顧客のニーズと向き合い、それを理解することが成功には不可欠
・新たなアプリやサービスを運用段階へと進める前に、テストを行うことが鍵となる
・すぐに目的を達成できそうな、対応可能な規模の新プロジェクトを始める。これにより、次のプロジェクトが内部で売り込みやすくなる
・カスタマーサービス担当者は会社の窓口であり、日々多くの顧客と接触する一方、彼らの給与は社員のなかでも低いため、彼らの給与をもう少し引き上げる場合のROIを評価してみる
また、未来学者のBrian David Johnson (アリゾナ州立大学)からも、次のイノベーションの波についての話がありました。Brianはテクノロジー、化学、生物学が一体となり、これまでは夢でしかなかったことが、数年のうちにありふれたものになるだろうと述べていました。将来のこと、可能なことに対する私たちの考えを膨らませるため、彼は「どのように未来を築いていくかというアイデアを13歳の子どもに出してもらう」という例を話してくれました。子供の想像力というのは、大人と比べ、まだ抑制されていないからです。
顧客体験を提供する企業幹部にとって、今回のサミットでの一番大きな収穫は、「課題を抱えているのは、自分だけではない」ことがわかったことでしょう。ほとんどの企業はいまだに、エンドツーエンドのモバイル戦略を策定しており、X世代、Y世代の消費者をどのように呼び込み、保持していくかと悩んでいます。しかしBrian David Johnsonの話を聞いた後、「私たちの想像力の限界こそが、私たちの足かせとなっている。そういう時代に私たちは生きている」ということで皆の意見が一致しました。ですから今こそ、企業は上述したような基本的なポイントを心に留めながら、X世代、Y世代の消費者にとって有意義な顧客体験を提供できるよう創造性を高めていく必要があるでしょう。
Written by Jim Cantwell